活性化リンパ球療法を受けに行く目的の 大阪への旅は
私の中では、いつのまにか「オステオパシーについて知りたい!」
という・・私自身の目的にすりかわっていた・・

彼は、私の性格をよーくわかっているので・・
「よーく勉強してな!頼むよ!」と言って笑っていた・・
実験台は彼!しかも体に触れているから、
どちらかと言えば、「大歓迎」の治療だった♪

もちろん、1日やそこらでマスターできる施術ではない・・
けれど、彼に有効と思える施術のポイントだけ教えてもらう
「もどき」でよかった・・・

彼の痛みや不安に対して、「気持ちいい」と思ってもらえれば・・
「痛みが取れる」でなくても「痛みを忘れられる」・・
それでよかった・・・
もちろん「痛みが取れる事」を願って・・信じて・・
彼の心と体にアプローチしていた・・

オステオパシーとは、アメリカで開発され、
機械の類はいっさい使用せずに、骨のズレなどからくる痛みや
疾患を手だけで、患者にはまったく苦痛を与えずに治療する
「超ソフト手技」を用いた治療法です。

同じようにアメリカで開発された手技療法に、カイロプラクティック
療法があります。最近どこの街角でもカイロプラクティックの看板
はよく見かけますが、オステオパシーという名前は見かけません。

オステオパシーは、カイロプラクティック誕生から20年も前の
1874年には外科医のスティル医師によって確立されました。

自然治癒力を生かすという考え方や手技療法が中心であるなど
似た部分も多く、人体の生命源を脊髄に求め、脊髄の矯正を
基本理念にしているといった部分では共通しています。

ただし、大きく異なる点のひとつが施術の方法だと言われています。
カイロプラクティックは、脊髄の歪みを矯正する事に主眼を置き、
いかに骨格をもとの位置に、鮮やかに、そして素早く骨を押し込む
かという考え方に終始した手技法です。

しかし この考え方だと、変位した椎骨を無理に元の位置に戻す為
相当の力が加わり、矯正される患者もその痛みに耐えなければ
なりません。
それに対してオステオパシーは、骨を矯正する前に、付随する筋肉
をはじめとする軟部組織を充分にほぐしておかなければ、再び元の
ズレた位置に戻ってしまうという考え方です。
周囲の軟部組織を柔軟にしておけば、ゆっくり徐々に押し込む事が
でき、危険も少ないのです。

アメリカでは、オステオパシー療法は 医師が行っている治療法です
数あるオステオパシー療法の治療法の中で、私が心惹かれたのは
次の3つでした。

【頭蓋仙骨療法】(クラニオセイクラル・セラピー)
頭蓋から仙骨にいたるまでの脊髄硬膜を、超ソフト手技で矯正する
ことに治療理念をおいた治療法で、医学的根拠や科学的裏づけを
もち、アメリカやヨーロッパの外科医や整形外科医の1部では
無血手術と呼ばれている手技療法・・
脳の血管障害(動・静脈瘤・脳梗塞)以外の神経障害には特に有効
で、原因不明の不定愁訴や痛み、運動機能障害、精神神経系、
外傷の後遺症にも効果的です。

【解放テクニック】(ストレイン・カウンターストレイン)
椎骨矯正に一大革命をもたらしたソフト矯正です。
理論的に説明すると難しいのですが、要するに今までの考え方では
椎骨が右にズレているなら「左に押せ」でしたが、この手法は逆で、
さらに右にズレるような体位をとらせるのです。
なぜなら、1度引っ張られたものが筋肉の疲労やなんらかの影響で
途中で戻らなくなってしまっているためです。
それなら、もう1度引っ張れば、自然にまた元の位置に戻ろうとする
働きが生まれるという考え方なのです。

【マッスルエネルギーテクニック】(M・E・T)
人間が元来持っている生体エネルギー、自然治癒力などを利用した
テクニックです。
自分で出来る安全な家庭療法として優れた治療効果が期待できます

このオステオパシー療法は、医学的根拠のある自然医学療法であり
薬物投与、注射、メスによる手術ではないというだけで、基本的な所
は すべて西洋医学そのものなのです。

この頃では、彼は右胸の湿布を張り替える時にも、ゆっくりゆっくり・・
時間をかけてはがさなければならないほど、触れるだけでももの凄く
痛がっていた・・・ビリビリする痛み・・まぎれもない骨転移の痛みの
感覚だと思った・・・
癌ってどんな生命体なんだろうって思った。骨までも食べてしまうのか
浸潤っていう言葉が・・すごく脅威に思えた・・

彼に試す施術のポイントを、師長は まず私に体感させてくれた・・
なんだか体の痛みというよりは、体の内部のあらゆる液体が
流れている感覚がして、心地よかった・・
その流れに乗って、体内のエネルギーが目覚め 細胞のひとつひとつ
を活性化させてくれているような感じがした。

この感覚に「愛」が加われば、彼の痛みにも絶対に効果がある!
そう確信したのである・・・