活性化リンパ球療法・・・
2週間に1度・・1クール→×4回の治療が始まった・・
気持ち的には、薬ではなく 自分の体内から取り出した細胞・・
60兆個分の幾つかの細胞を、体外で元気にして 自分の体内に
戻すだけなのだから・・安心しきっていた・・

点滴の時間も、短くてあっというまに終わってしまう・・
私は、まじまじとリンパ球なるものを見つめてみた・・・

肉眼で見えるはずもないことなど、百も承知なのだけど・・
滅多に見れるものではないという 「感覚」が、ついそうさせるのだ。

「血液を採っていったのに、赤くなーい!!」なんて、
わざと素人感覚で楽しんでみたり・・・

とにかく、好奇心いっぱいの眼差しで点滴を見ていたら
彼が「そんなに見てたら穴が開いちゃうよ!点滴とばかり お話し
してないで、俺とお話ししてよ!」と言うので・・
今度は、一途に彼の顔を見つめてみた。すると・・
「そんなに見つめたら顔に穴が開いちゃうよ!恥ずかしいよ!」
と、照れてしまった・・あらあら・・(笑)

点滴が、あまりに短時間で終わったので・・この後どうしよう?と
思案していたら・・・
師長が「ここでゆっくりしててもいいですよ」と言ってくれた・・・
そして、癌患者さんの痛みを和らげる方法を 私に教えてくれた。

彼の腰痛や胸膜、横隔膜への浸潤による癒着の引きつった痛みや
違和感に有効ということで・・
「オステオパシー」という手技を教えてくれた。
この手技法に 私の心はものすごく揺れ動いたのである。

この頃、彼の体は胸膜への癒着のせいで かなり右に湾曲していた。
正中線がずれているのである・・・

癌腫瘍そのものに痛みは発生しないという・・・
腫瘍そのものが接触した部位・・
神経や臓器の重要な機能を司る部分に接触、圧迫したことによって
痛みや違和感は発生してくるのが大部分の要因だ・・

私が彼に対し・・彼の痛みに対して出来ることが見つかった!
そう確信できたのである。
彼に触れながら、彼そのものを包みこむことができる・・・
そう思った。癌の発するメッセージも、彼の体内に潜めている不安、
心のメッセージも受け止めることができるような気がした・・・

一般論はどうでもよかった・・・
私なりの答えが見いだせれば、それが答えなのだ・・・
迷いのない実践が、光を見いだす・・
エビデンスなんて、私には必要なかった。

ペインコントロールの見直しについて、試行錯誤していただけに
「オステオパシー」は、彼に対して 私だけにできる魔法のように
思えたのである・・
今でも、痛みを訴える私の周囲の人に、実践している・・・

あらためて、師長との出逢いには感謝している。
そして、人生において・・いい時にも 悪いと思える時にも
必要な時に、必要な出逢いは 必ず設定されていると思っている。

リンパ球療法を試みた成果は リンパ球療法そのものの効果より
師長から学んだ、オステオパシーやフットマッサージという宝物に
巡り合えたこと、そして師長に巡り合えた事にこそ、意味があった
のだと思っている。