ジェムザールによる血管痛は、相変わらずだったが、彼を見てい
ると、明らかに今までと様子が違う・・・・吐き気、倦怠感の訴えが
ない・・・不思議なほど元気!え?これって・・・
ゲルソン療法の効果?そうとしか思えない・・・
正確に言えば、ゲルソン療法+サプリメント+心(気持ち)の効力
その相乗効果だと確信した・・・信じる力・・自分が信じた事を行動
する力・・人間って不思議な生命体だ・・・
気持ちの中で「どうせ、何をやっても無駄な事だ」とか「こんな事で
治るのなら医者はいらない」なんて思っていたら、どんなに高価な
薬やサプリメントを飲んでも 効果は期待できないと思う・・・
医者に治してもらうんだという考え方も また違うと思う・・・
受身の治療は ある意味、依存の心を助長する・・・
医者サイドと患者サイドは、同じガイドラインに沿って 同等でなけ
れば すべては一方通行になってしまう・・・コミュニケーションが
とれなければ、信頼関係は生まれない・・・
治療もそうだし、薬もそうだ・・信じる心がなければ効果は期待でき
ない・・・癌などの場合、特にメンタルな部分は大切だ・・・
ゲルソン療法みたいな制限の多い厳格な食事療法は、尚更である
癌、特に末期癌の告知を受けた人など、西洋医学の選択肢は限
られている・・・この抗がん剤で治りますよ!などという気休めさえも
言ってはもらえない・・・だけど、それが現実であるのは真実だ・・・
けれど、答えではない・・・答えは人それぞれ違う・・・
生きていること!それが答えだ・・・命と真っこうから向かい合う事
自分の命の意味を 謙虚な心で見つめて、受け止める事・・・
彼が、癌告知を受けてから、よく言っていた言葉がある・・・
「俺が もしひとりだったら、こんなふうに治療なんて受けずに痛み
止めだけたくさんもらって、誰にも知られないような所に行って海岸
かどこかに寝そべって のたれ死にしてただろうな・・君がいるから
どんな治療でも受けようと思えたし・・・頑張って1日でも長く生きて
君と一緒に人生を過ごしたいと思えるんだ・・だけど、もしもこんな
ふうに1日中病院にいて看護の生活なんて嫌だ・・と思った時には
遠慮せずに自由に飛んでいっていいんだよ・・君には まだまだ、
輝かしい未来があるのだから・・飛んでいっても仕方のない事だと
覚悟はできてるから・・・」
彼の思いやりだった・・感謝の言葉だった・・だけど彼の心の奥の
深くにある想いも感じ取れた・・私が「もうこんな生活は嫌だ・・」と
消えてしまった時の事を想定して、ショックを和らげようとしての
自己防衛本能だと思った・・・こんな想いでいる時には、どんなに
言葉を積み重ねても、彼の心の深い部分には届かないという事は
性格上わかっていた・・・
彼を、溢れでる想いの中で 深く優しく抱きしめた・・そうしてこんな
日には1日中、手を握りながら「大丈夫だよ・・側にいるよ・・ずっと
側についているからね・・」と想いを送り続けた・・心を届けながら
行動で表していくことが 彼にとっては1番特効薬だった・・・
こうして、3クール目の抗がん剤治療は 難無くクリアー♪
先生に対しても、説得力は大で 今回の入院は2泊3日×2回で
理想的なものだった・・・
ゲルソン療法と併用してサプリメントをいくつか飲んでいたが・・・
この頃、「これだ!」と思えるサプリメントにたどりついた・・・
それが、フコイダンである。
私達の癌治療法は、完全に抗がん剤から、ゲルソン療法+サプリ
→代替療法へと心は移行していた・・・正確に言えば、西洋医学+
代替療法である・・・何の治療法であっても、彼の笑顔とヤンチャ
ぶりが見られる事が 私の1番の元気の素であり喜びだった・・・