仮退院!癌を感じながらの想い出づくり・・

 

  仮釈放(笑)された1週間・・・彼は、はたから見れば まるで

  生き急いでいるかのように 積極的に行動した・・・

  退院した帰りの道すがら、まずは競輪に!!(競輪だけは

  最後の入院の瞬間まで 買いに行きました・・)

  そうそう・・この日はスロットにも(笑)・・(感染症なんて言葉は

  綺麗サッパリ彼の頭からは消えている??

  翌日は、彼も私も お互いの職場に挨拶に・・・

    ・・そして その夜は・・・

  流星群の夜・・初めて二人が出逢った、想い出の海に・・・

  彼の息子さん、私の子供たち・・みんなでバーベキュー&花火大会

  食べた事のないような高級なお肉を・・・

  食べきれないほど たくさん買って・・・みんなに振舞った彼

  BGMに 大音量で 長渕の曲を流し・・

  それぞれが いろんな想いを抱えながら・・

  彼との時間を 共有していた・・・

  花火の終わりに あまりにもタイムリーに流れた曲・・・

  ♪しあわせになろうよ♪・・・これはになる前・・

  偶然つけたラジオから流れてきた この歌を、二人で聴いた時

  言葉も出ないまま 二人抱き合って泣いた・・二人のテーマ曲

  ともいえる歌だった・・

  今でも、まだこの歌だけは聴けずにいる私・・・

  波打ち際で 夏の風に乗って この歌が流れてきた瞬間、

  現実を直視してしまったかのように 誰一人として言葉を

  発することなく 全員泣き出してしまった・・・

  彼との想い・・彼への想いが涙という表現になって流れた・・

  今でも、この日撮った家族写真は、全員が焼き増しして

  持っている・・・本当に忘れることの出来ない夜だった・・・

 

    その2日後、彼の生まれ育った東京へ・・・

  私を 喜ばせようと まずはディズニーシーで1日遊びまわる・・

  計画なしの、思いつくままの旅行・・・遊んでる途中、彼は突然

  ディズニーシーの中にある、ミラコスタで宿泊予約したものの

  夕食後・・「やっぱり、1泊5万はもったいないなー」と気が変わり

  「ふける(トンズラ)ぞ」と言い出した彼・・・「キャンセルの連絡

  しなくていいのー?」と言う私に、「いいのいいの!」とハラハラ

  している私をみて笑う彼・・・割引券たくさんもらったまま・・・

  ミラコスタさんゴメンナサイ!彼の行動には本当にいつでも

  ハラハラドキドキ・・・私の心臓が弱ること間違いなし!!

  どこに泊まったかってー?ラブホですぅー(爆)

  翌日は、東京にきた第一の目的・・数年ぶりに会うという

  彼のお姉さんの住む国立へ・・・

  もちろん、彼の生まれ育った街でもあるわけで・・・

  駅前から、ひとつひとつの子供の頃の想い出を確かめる

  かのように、歩いて駅前の並木道をノスタルジックに散策・・

  学生の頃の集合場所だったという、一ツ橋大学の構内に

  ある銅像の下で 少しの間タイムスリップしてる彼を 少し

  離れた場所から見守っている間・・なぜだか心が痛かった・・

  その後、溜まり場だったという羅生門という喫茶店を探しあて、

  今でも営業している事に大感激の彼!しかも、当時のママが

  おばあちゃんながら、現役で店にいたことに 懐かしさは倍増!

  嬉しくてしかたない様子・・・考えてみたらスゴイことだよね♪

  喫茶店を出た頃から 彼の表情に疲れが見え始めてきた・・

  仮退院してから、ずーっとハイテンションだったものネ・・・

  鎮痛薬を飲ませて、少しゆっくり歩くことに・・・

  明日には帰るものの・・この状態が続いた事を想定すると、

  ロキソニン(鎮痛薬)の数が少し心もとない・・・・

  不安になってきた・・・彼は「大丈夫だよ」というけれど・・・

  私が「大丈夫じゃないっ!」・・・「ちょっと待ってて!」と、

  駅前の通りを歩いている時にチェックしていた「クリニック」に

  駆け込み 迫真の演技?にて あっさりロキソニン10錠GET!

  (もちろん、本人以外が急に飛び込んで 簡単に出してくれる

  薬ではありません!クリニックの先生からも 本来はこういう形

  では絶対に出せませんから!緊急ということでだしますからね!

  と、念を押されて処方してくださいました!

  彼は、薬を見ると・・首をすくめ・・「さすがだね(笑)」と・・・

  降参!の笑顔・・・

    薬も不安なし!となったところで・・お姉さんと再会!みんな

  集まり、ここでも想い出づくりの一夜が、あっという間に過ぎていった

  ひとつひとつの行動の奥深くには、確実に癌との共存が存在

  しているという事を 実感せざるを得なかった・・・