ひとつの命をみつめてる

いつもいつも心のどこかにいて

今日の気分はどうかな・・
今日の痛みはどうかな・・
今日の表情はどうかな・・

そんなふうに気になる命

朝ご飯に出てきてない?
どうしたんだろう・・と想い過る
倦怠感が強くて起き上がれない
そんなふうに聞いた

訪室すると目は閉じたまま
汗が顔に腕に浮かんでる
手足は冷たくて・・
目を開けられないと言う

低血糖??
測定すると、やっぱりそう・・・
ivして、そのまま輸液に繋ぐ

まったく目を開けないその表情は
とても辛そうで、きつそうで・・・
そして「私はどうなっちゃうの?」
そんな不安さえも滲み出ている

パジャマは全身びっしょりで・・・
シーツも枕も何もかも濡れている
熱い湯を持ってきて、ゆっくりゆっくり
表情や呼吸をみながら清拭をしてゆく

上半身の更衣をする時に
ベッドをギャッジアップして
私の胸にもたれかかってもらって
鼓動を感じながら背中を拭く

まったく力の入ってなかった身体が
瞬間、私の胸に・・心に潜り込むかのように
抱きつかれた感触があった
声にならないけれど・・伝わる想い
「生きたい・・」そんな心の声が聞こえた
カーテンを引いて30分間の空間に
たくさんの想いがあふれる

拭いてもすぐに滲んでくる汗・・・
ちょっと待っててくださいね・・
そう伝えて、水を少し多めに入れた
氷枕を作って当てると、表情が緩んだ

小さく細い声で
「ありがとう・・気持ちいい」
その言葉を聞いて、涙がでそうになる

ここには書けないけれど
いろんな憤りがあっての、ひとつの結果
ジレンマに押し潰されそうになる瞬間を
胸に手をあてて、原点に立ち還る
心をこめて、その身体に心に寄り添う

いつだって、何度だって
命の極みには 大切なことが煌めいてる
その灯し火の中に 生きることの・・
生きてることの意味が在るのだろう

答えは、人それぞれだろうけど
誰かのために、生きたいと想い
誰かのために、生きていて欲しいと想う
そんな想いが、儚さの向こうに
強く優しく存在している気がする


昨日からずっとずっとずっと
ひとつの命を想っている
ただ・・みつめてる・・・