モルヒネを飲んでも飲んでも・・痛みは軽減しない・・・
私の心は不安だけが増していく。

経口投与によるペインコントロールは、結局は自宅での
ペインコントロールにモルヒネ量を上乗せしたものでしかない?
そう思えていた。
彼を説得して、モルヒネ静注によるペインコントロールに切り替え
てもらうしかないと考えていた。
今の状態で大阪に行くのは無理だった。
SPO2が低い状態で飛行機に乗る事は あまりにも危険だ・・・
急変したら・・大阪で入院という事になる。

この時点で、内服のオキシコンチンは80/回
そして、レスキューも50/回を4〜6時間間隔で服用していた。
食欲はなく、トイレに行けば嘔吐・・
幻覚も、「死者の国からの動物がそこにいるよ・・大きな角のはえた
ヤツだよ」そんなふうにリアルなものになっていた。

息子さんがきたので、一応大阪行きの荷物を取りに私は自宅へ
戻った。大急ぎで30分後に病室に戻ってきたら、休日当番医の
先生が訪室中で・・彼と話しをしていた。

先生の意見としては、まずキシロカインを点滴し、モルヒネも経口
ではなく点滴に切り替えたほうが効果があると思う・・との説明が
行われていた。

けれど、どうしても彼の中では「点滴=最後の手段」との想いが
強いのと、点滴だと大阪へ行けないと思うのか・・・即断る彼・・
そしてありえない話しだけれど、素人感覚の素直な希望として
デュロテップパッチを貼って、尚且つオキシコンチンの内服したい
と申し出たが・・勿論それは却下された。
コントロール量が又変わるし・・デュロテップパッチは効くまでに
半日かかり、今飲んでるコンチンよりも 効果が弱いと説明された。

彼は、何も答えなかった・・・
サチュレーションが低かったのに加え、先生とのやりとりで興奮
したのか、呼吸が乱れていたので 彼を説得してO21ℓを開始
してもらった。サットはこの時80ちょっとしかなかった・・・
1時間ほどO2を流したら92に復活・・呼吸が安定したせいか
よく寝ている・・ひと安心した。

真夜中3時・・ふと目を覚ますと彼はベッドで座っていた。
ちょうど夜勤の看護師さんが巡回にきて、彼にレスキューの服用
を促したけれど、いらないと断った。

5時に痛みで目覚め、レスキューを飲む。
「危篤なの?俺は」って聞くので「全然!」って答え背中をさすると
「ホントに?」と頷いて横になった。
そのまま1時間ほど背中をさすって落ち着いたかのように見えた
けれど、突然起き上がりテラスへ・・・

ベッドに戻って6時のオキシコンチンを飲むがキツそうにしている
O2を2ℓにあげる。ウトウトしながら「kyoちゃん・・明日、大阪行けそ
うにないなぁ」と寝言のようにつぶやく・・・

早く院長先生が出勤することを ただただ願った・・・
彼の今のこの状態を、早く何とかしてほしいと思った。
長い夜だった・・それでも朝は必ずやってくる・・・
彼への希望も・・必ず・・・