予約を入れたにもかかわらず、
2度と訪れる事はなかった・・・セカンドオピニオンを求めて受診した
フコイダン療法で 有名なA医院・・・著書によれば、末期がんで
余命数ヶ月と宣告を受けた方々が、3ヵ月後には奇跡的にも癌が
消失したり、縮小したりと・・希望の持てる症例が幾つもあげられて
いた。もちろん、効果の得られなかったケースも多数あるだろうし
そのことを、敢えて書き綴る必要もないことだと思う・・・

余命告知を受け、治療法に行き詰った癌患者や家族にとっては
たとえ1例であっても、効果があったと聞けばすがりつきたくなる
心理状態にあるのだから・・・

その心理につけこみ、「これを飲めば癌が消える」などの
誇大表現で高額なサプリメントを販売して訴えられた健康食品会社
も、何度かマスコミで取り上げられていた・・・
癌に限らず、ダイエットなどでも同様だ・・・

要は人の弱みに付け込む商法が氾濫しているのも事実だから・・・
ただ、私がここで、伝えたい事は、毒になるものを効果がある!と
騙して販売するのは犯罪だと思うけれど、商品が絶対的なもので
なくても、人それぞれの体質、性格によって効果が出る人も出ない
人もいるということ・・・たとえ、普通の水であっても、信用している人
から勧められて飲めば、「魔法の薬」「奇跡の薬」ともなりうる・・
ということを言いたいのです・・
「病は気から・・」に通じるということですね・・・

私達は「フコイダン」の神秘性を信じていたから、
「フコイダン」を抗がん剤治療中飲んだから
副作用が軽減されたと信じていたし、抗がん剤に
「フコイダン」を併用したから、癌は縮小したと信じていた・・・
彼がフコイダンを信じ、命を託していた時期は
本当に効果は現れていたと確信している。

彼がセカンドオピニオン先の医院をj再受診しなかった理由・・
それは、私も感じていたように、あまりに著書の写真、内容から
抱いていたイメージと異なっていたこと・・・
ただし、この事は感じた事であって、たいした意味はない・・

彼の指摘した部分は、「磁石のようなもの」を使って彼の体の
悪い部分を読み取る?検査を、彼が「その検査は、この場で
すぐにできるのですか?」と聞き・・先生は「すぐにできますよ」と
答えたのにも関わらず、2週間後に先延ばしした事だった。

彼は「あの先生は末期がん患者の気持ちを理解していない!」
「本当に癌患者の事を思っていたら、だらだら、浄水器のリース
の話しなんかせずに、先にその検査をするだろう!」
「すぐに、出来るのかと聞いたら出来るって言いながら、2週間後
ってのはおかしいだろう・・体力の弱っている患者が、県外から
きてるんだよ・・それに、フコイダンに関して俺が今どのくらいの
量をどんな間隔で飲んでいるのかも、一言も聞かず、今後どう
フコイダンを飲めばいいのかも、まったく触れなかった・・・」
「話した事と言えば、水の話しと自分が以前勤務していた病院の
組織批判・・自分の事ばかりだよ」

堰を切ったかのように、一気に思っていた事を吐き出した彼は
初めてのセカンドオピニオンに、かなり意気消沈していた・・・

期待が大きければ大きいほど、失望も大きいものである。
彼の心に木枯らしが吹いたように見えた・・・

私は、何となく彼の失望感が伝わり、心は無力感で溢れた・・