CT画像や腫瘍マーカーの数値的には、改善傾向に思えるものの
実際に痛みを感じると、画像結果もマーカー値も 他の人の物の
ように思えてしまったりする・・
痛みも、不快な感覚も 無いに越したことはなく、感じない事が
もちろんベストではあるけれど、本来痛みは体の異変を知らせる
DNAからのメッセージである・・・
痛みや違和感、不快さという 感覚的メッセージがなければ
人の体なんて、極端な話し・・壊れて動かなくなった時=死に
なるわけで・・・体内で炎症がおきれば熱がでたり・・
吐き気がしたり・・お腹が痛くなって下痢をしたり・・
様々な症状として「大変ですよー」とサインをだして教えて
くれるのである・・・

癌という告知を受けて絶望的に思える理由は・・
癌が体を侵略していくにつれ「耐え難い痛みが絶え間なく攻めて
くる」
・・というイメージが心にインプットされるからではないだろうか
人は痛みには弱いものである・・・
女性に比べ、特に男性のほうが痛みには弱いと・・どの病院に
行っても現場のスタッフが言っていた・・・もちろん、個人差はある
だろうが・・女性には、出産という使命を乗り越える為に 痛みに
対して何か違うプログラムが特典として備わっているのかなぁ・・
なんて おぼろげに考えたのを今思い出した・・・

彼は、これからどれだけの痛みが訪れてくるのか・・痛みに対する
不安をよく口にしていた・・・
医療に関わる仕事の中で・・・ターミナルの患者さんに幾度か
関わってきたものの、痛みの訴えは癌の種類にもよるし、感覚的
な部分においても 個人差があった・・・
これから、彼に押し寄せてくる痛みに関しては、想像はできても
伝えることはできなかった。未知の部分だからという事もあったし
いたずらに他の人の状態を伝える事で 彼の不安感を助長させる
のはプラスではないと思ったからだ・・・
彼は、本当に無防備な程、私の言葉に心を委ねてくれていたから
言葉の選択には かなり慎重になった・・・

曖昧を嫌う彼は いつでも即答を求めてきた・・
わからない時は、すぐに「わからない」というように・・
それで「調べて欲しい、聞いて欲しい」と彼が言えば、ネットや
図書館で本を借りてきたり、友達のナースに聞いたりで
何らかの答えを伝えた・・・
彼の場合、知らない事の不安のほうが嫌だったようだ・・・

痛みの不安に関しては、肺がんという点から、骨転移による痛み
そして、隣接臓器として、肝臓転移・・そしてリンパ節に乗って
脳に飛ぶ可能性があることと、やはり気管支が浸潤される可能性
が高いことを伝えた・・脳に飛んだ場合はガンマナイフ治療・・・
骨転移も放射線照射で痛みの緩和はできるという事を伝えた・・
血痰や咳にも気をつけなければね!という事も・・・

彼の心の中は、meta(転移)の有無でいっぱいだったので、すぐに
病院に連絡して、次回の検診時に骨シンチの検査もしてもらうよう
追加予約した。(骨シンチグラフィーの撮影(造影剤を入れての)で
metaが認められれば、画像に集積部分が映し出されるのである)

実は、この月の末に 石垣島に旅行する予定にしていたため
この時期の痛みの対処法には 私はかなり、重要視して色々調べ
たり、生姜湿布を試したり真剣だった。病院で処方してもらった
モーラステープは今ひとつ効果が感じられなかったし、ボルタレン
坐薬も25咾里曚Δ靴処方してもらえず・・
このあたりから、癌疼痛におけるペインコントロールに関して
別の方法を考えておこうと感じていた・・・

骨シンチ検査を行った結果、meta(転移)は認められなかった・・
データ的には、ひと安心なのだろうけれど 痛みがある以上、
欲しいものは痛みを取り除くための方法=対策である・・・

先生に聞いてみるものの、データ的に異常が見られないので
対処療法として湿布を貼るしかないとの事だった・・・

痛みを訴えた時に、(特に午後からが多かった)湿布を貼り替え
背中と腰に手を当て、優しくさする・・・時には夕方と寝る前に
お風呂に湯をはり、温熱療法(癌は熱に弱いとされている)と
アロマ療法を行ったりして 痛みにおとなしくするように語りかけ
ていった・・・

こうして、月末・・彼自身の昔からの夢であり・・私の子供が高校を
卒業したら二人で移住しようと 目標にしていた石垣島に・・・
とりあえず、2泊3日ではあるけれど旅に行く日を 無事迎えた・・