ゲルソン療法と抗がん剤投与2クール目!

わずかな期間、広い広い水槽に解放された金魚が、循環装置も何もない

小さな金魚鉢に戻されたかのように活気のない状態の・・再入院!

ゲルソン療法という友達は連れてきたものの・・十分に力を発揮できない

環境下での免疫部隊でした・・・そもそも、病室で抗がん剤代わりの野菜

ジュースが作れない・・ということが心細い原因でした。朝、自宅で保冷性

のある水筒2本分に ジューサーミキサーで作った野菜ジュースを作って

くるものの、足りないし・・彼は翌朝までもたせようとするので、新鮮でなくな

ってしまう・・退院するまでは、このやり方でいくしかないね!と言いつつも、

何となく徹底できないもどかしさ・・・

癌治療に、抗がん剤を選択しているのは まぎれもなく私達!そしてその

治療を中止したいと思っているのも 私達!きっと抗がん剤をやめたいの

に、それに代わる、これだ!という絶対的な方向性を見出せていないその

事がもどかしいのかもしれない・・・何故こんなにも、もどかしいのか?・・・

それは、命のカウントダウンを告げられた事へのストレートな焦り・・・

綺麗事で片付けられない心の本質部分なんだと思う・・・ドラマでもなく・・・

夢なんかでもなく・・・現実なんだという認識と、夢であればいいという願望

が無意識に交わった時、もどかしいという感覚に囚われるのかもしれない

彼を見ていると、その想いがとてもよく伝わってきた・・・抗がん剤投与中、

今までになくイライラしているのがわかるから!抗がん剤嫌い!拘束嫌い!

そして、何より入院大嫌い!って、顔に書いてるもの(笑)

抗がん剤投与→を否応なしに実感する現実が浮上・・・それが抗がん剤

の代名詞?でもある脱毛である・・・枕元の抜け毛がハンパない事にすぐ

さま気付いていた私は、無意識のうちに彼に気付かれないよう集めては

処分していたのだけれど・・自分の体の事って、やっぱり自分が1番わかる

んですよね・・・ちょっと買い物に行って帰ってきた時、彼は真っ白いシーツ

の傍らに、降り積もるばかりの髪の毛を集めていた・・・そして、ひと言・・・

「俺は男だからいいけど・・これほどまでに抜けていくとしたら・・女の人は

かなり辛いだろうなぁ・・」と・・ほんとに・・そのとおりだと・・思えた・・

これは、シスプラチンという抗がん剤の副作用らしい・・・

やっぱり・・ただの点滴なんかじゃないという事・・・正常細胞をも破壊して

いるという事の裏付けがこれだ・・・気休め?なのかもしれないけれど・・

こうやって抜けていく事に毎回心痛めるよりも、夏だし、先に坊主にして

しまわないかと提案してみた・・彼は、「現実は現実だから・・・」と言って

手で髪をすいていた・・・

今回の治療の間は、彼はうとうと眠っている事が多かった・・・彼が寝て

いる間、私はひたすらゲルソン療法の本を熟読した。今回の入院計画書

には2週間の予定と書かれていたので、帰ってからゲルソン療法を取り入

れるにあたっての・・自分なりの計画を書き出してみたりした・・

無農薬の野菜が手に入るところを、友達に聞いたり・・ネットで調べて

もらったり・・・自然食品の店を電話帳で探し、どんなものを置いているの

か問い合わせしてみたり・・・彼は覚醒するたびに、私がいたりいなかった

りするので・・不安なのか、途中から「手をちょうだい!」と言って、手をつ

なぐと安心して また夢の国へ・・・そろそろ血管痛が起きる頃でもあった

ので、本を閉じて、手をさすり彼の体内を巡っている抗がん剤に心を移し

た・・彼の腕をさすっていて、血管が以前よりも細くなっている事に気付く!

これも抗がん剤の影響だという事・・・体の中の変化は直接目にみえない

・・・熱がでたり、吐き気、倦怠感という、本人の訴えがあって伝わってくる

ものだから・・・でも脱毛であったり、血管であったり、目にみえる範囲での

変化は すごく衝撃的だ・・・同じ感覚で抗がん剤を捉えていかなければ

彼の気持ちと同化できないと思った・・・

抗がん剤を使わない癌治療・・もしくは副作用をおさえる(免疫補佐)もの

との併用治療が、これからの癌治療において大きな課題になっていくだろ

う・・・そして医療体制そのものに対する問いかけにも なっていくと思って

いる・・・